Q.水墨画を描くにはどんな道具が必要ですか?

水墨画は、油絵や水彩画に比べれば、比較的少ない道具ではじめることが出来ます。
必ずご用意いただきたいのは、筆・墨・硯・画仙紙です。

その他、筆を洗ったり、墨の濃さを調整するのに使う筆洗、墨と水を混ぜ合わせるために使用する絵皿、筆の穂を
拭く雑巾、紙を固定する文鎮、紙の下に敷くフェルトなどの素材の下敷きがあればより快適な環境で水墨画に向き
合うことが出来ます。

 
Q.水墨画で刷毛や連筆は必要ですか?

大きい作品で特別な技法を使って仕上げたいときなどは、刷毛は必要になります。
特に絹本に描くするときは刷毛が必要ですので、1~2本揃えておくと便利です。

連筆は、主に3本・5本・7本・9本があります。
丸筆を使っているだけに刷毛にない厚み感があります。

毛は羊毛が主体で、墨の含みもよく、一筆でムラのない幅広く描けます。
背景の空や雲、海面など広い範囲に濃淡をつけたり、ぼかしたりするときに便利です。

刷毛が平面的であるのに対し、連筆の場合は筆跡に微妙な調子がでるのが特徴です。

平面的で均質な表現をするなら刷毛
筆跡に微妙な調子をだすなら連筆


Q.刷毛は水墨画作品でどのような使い方をすればよいですか?

刷毛は広い範囲に水を引く場合やぼかしをするときに便利な道具ですが、筆と同様作画に使います。


Q.木炭はどのように使いますか?

木炭は、水墨画の作画のために画仙紙に下絵を描くときに使ってください。
絵画用の木炭の原料は、柳、桐、ぶどうのツルなどを蒸し焼きにしたものです。
練りゴムで簡単に消すことが出来ます。


Q.なぜ水墨画の下敷きは白色を使用するのですか?

紙を水で濡らすと、下敷きの色が表面に出るので、水墨画のような微妙な墨の濃さを判断するには、白色の下敷きが最適
だからです。

大きさや厚みは先生にご相談いただいた方がよいですが、作画の際は紙よりも一回り大きい下敷きをご用意ください。
厚みは、当店では2mm程度の厚手のものをおすすめしております。
薄手の下敷きは、シワや折り目がつきやすく、筆の勢いで紙がよれることがあります。

いくつかサイズ違いの下敷きを用意しておくと便利です。

書道用の下敷きには、紺色のほか、黒・赤・緑などがありますが、上記のような理由から水墨画には不向きです。


Q.落款のときに使う印はどのようなものがありますか?

書画に使う印には、姓名印・雅号印・関防印(書画の右上に押す長方形の印)・遊印などがあります。
材質は、石・竹・陶器などがありますが、石が一般的です。
水墨画では、過去には姓名印と雅号印を併用して使われいましたが、最近はいずれか1つだけを押すことが多いようです。
関防印は使われるケースが減っています。
遊印は使われることはあまりありませんが、好んで使用する水墨画家さんもおられます。

印の形は、四角に限らず、円形や変形のものもあります。
作品全体の調和を大切にしながら、印の形や押す場所を選んでください。