色遠近法

色の心理効果を利用して、対象物の遠近の距離感を表現する絵画技法です。
色彩の明暗、濃淡などで遠近を表現します。

祝画

民俗信仰や仏教、神話、伝説に基づいて描かれた縁起の良い絵
吉祥画、慶祝画とも言われます。
人智の及ばない自然の驚異に対して、少しでも災厄を逃れ、幸せに暮らしたいと祈願する現世利益的な民間信仰を背景としています。
岩絵の具天然の鉱物を細粉し、精製、乾燥させた絵の具
日本画では岩絵の具が多く使用されてきました。鉱物の粉末であるため、色調に重厚感がでます。

陰影法

方向性のある光が物体を照射したとき、物体によって他のところにできる暗部を「影」物体それ自体の表面にできるものを「陰」といい、これを描写する絵画技法
西洋画ではルネッサンス期に発展した技法

院体画

一般的には中国南宋の画院の絵画様式を指します。
馬遠・夏珪の山水画様式や色彩の美しい花鳥画様式は、日本の室町以降の絵画に影響を与えました。

内隈

隈取技法のひとつ。
墨をつけて描いたものの内側に墨がボヤけて輪郭をつくることを言います。これによって、描いたものに立体感を与え、装飾的、造形的効果がでます。
隈取には、先隈・片隈・両隈・外隈などの技法があります。

 映りこみ実像が水面に映った像
これを表現することにより、水の質感をより鮮明に表すことができます。
実像を濃墨で、水面に映った像は淡墨で描きます。
曲断線を用いてボカして表すことが多いです。
裏打ち

作品の裏に紙を貼ることで、作品の保存、補強をすること
裏打紙には、美濃紙・新鳥の子紙を使用する

裏筆

墨線の両側が濃く、中心を薄くする表現方法
特に竹や樹木の幹を描くのに適しています。
雲烟法雲・もや・霧・霞などを描くことで遠近感をだす方法。
東洋絵画独特の技法で、烟は煙を意味し、深遠に雲を平遠に烟を用います。特に山水画を描く際には欠かせないものです。
筆や刷毛に含ませる水分量を調整し、にじみとぼかしで遠近感をつけます。
絵巻

巻子(かんす 横長の巻物)に描き、広げていくにしたがって物語などを詞書や画図で鑑賞出来るようにしたもの

遠近法

 対象の遠近の距離感を描写する技法。
円相画禅画の画題として取り上げられる抽象画
禅宗で悟りの対象として描く円の画
特に白隠禅師の円相画が有名
黄金分割

 古代ギリシャ人によって発見された最も調和的で美しい1:1.618の比率
長方形の縦と横との関係の最も安定した美観を与える比とされています。

大津絵江戸時代前期から大津追分(滋賀県)で旅人相手に売られていた庶民的な絵画。
界画山水

中国の伝統的な山水画技法のひとつ。
定規で描く繊細な線描画で、主に建築物などの風景画に用います。
均一で整然とした線描きの後、彩色で仕上げます。

芥子園画伝「かいしえんがでん」
中国、清代に王概、王蓍らによって編纂された画譜
歴代名家の筆法を挿入しながら、山水、岩石、樹木などの描写法が解説されています。
文人画の隆盛に大きな影響をあたえました。
介字法竹の葉を描写する基本的な画法のひとつ。
四筆で介の字の形を組み、葉を表現します。
雅印雅号を彫刻した印
書画をかいた際、作品が自作であることを示すために押します。
返し筆人物画の衣文線などに使われる描線
いったん引いた線が止まり、まだ力が残って元の方向へ戻るようなはね方、または返しを示した筆勢。
雅号文人や画家が本名とは別に使う名前。ペンネーム。
重ね描き色や墨を重ねていき、質感、ボリューム感をだす描法。半乾きのうちに重ねていくと美しいにじみになります。遠景の樹葉、山肌、雲、動物の毛、羽毛などに表現に用います。
画賛書画の余白に書いている漢詩や和歌。
絵のタイトルや描くにいたった背景、由来などもあります。
画仙紙中国の書画用紙を日本で模倣、製紙した紙
墨の濃淡の表現ががよく、墨色もさわやかで明るい感じになります。
日本産を和画仙、中国産を本画仙
花鳥画草花と鳥を題材にした東洋絵画。
渇筆法含墨量を少なくし、渇いた筆の穂先を紙面にこすりつけるようにして描く技法。ものの質感や力強さの描写に効果があります。
空刷毛

絹・紙のぼかし、または絵画や墨のたまりを無くして平均的にのばすときに使う刷毛をいいます。
山馬毛、猪毛などの固い毛を使うことが多いです。
水・墨・顔料などは一切つけずに使用して、常に乾いたきれいな状態で保管しておく必要があります。

漢画

中国絵画を総称して使いますが、一般的には中国の宋元画を模倣した日本の中・近世の絵画を指します。

顔彩着色するときに使用される水溶性の絵の具。
気韻気動中国・南北朝時代・南斉の謝赫撰「古画品録」の序にある絵画の制作、鑑賞に必要な6つの規範(画の六法)のうちのひとつ。
六法の第一に掲げられ、対象の気の生動感の表出をいいます。
対象を生き生きと描くこと。
逆筆右手で描く場合、通常左から右へ、上から下へ描くところを、右から左へ下から上へ描く。筆線のかすれを生かして、枯木の樹幹や岩石などを描くのに適しています。
夾葉法点葉法のひとつ。
葉の1枚1枚を輪郭線でくくる、鉱勒法を用いた二重描きの葉の画法。
唐中期の王維がよく使った画法。
魚尾法竹葉描法のひとつ。
仰葉(上向きの若葉)を表すのに用いられます。
金泥・銀泥顔料の一種。
金・銀箔をすり潰して微粒子にし、ニカワ水で練って泥状にしたもの。
この顔料を使って描くものを金銀泥絵といいます。
空気遠近法東洋絵画の遠近法。
墨の明暗、濃淡の変化によって遠近を表現する方法で、近くを濃く、遠くを淡く描きます。
隈取り

東洋絵画の技法。
色彩や墨の濃淡、ぼかしなどで立体感を出したり、装飾や造形の効果をだすのに用いられます。

毛描き

人物の髪や動物の毛を表現する技法。
腰が強く、弾力のあるイタチ毛の面相筆や削用筆を使い、鋭く、微妙な線を引きます。墨や顔料を多く含ませず、割筆にし、鍵状に立てて描きます。

減筆

筆数を極端に減らし、形象を省略的にあらわす手法
主に禅宗を主題とした人物画に用いられます。

絹本

書画を描くのに使う絹地、またはそれを描いた作品
絹の上に描くことは昔から行われてきたことですが、紙などに描くことよりも高級なこととされ、画家にも真摯な態度が要求されました。
日本で使われる絵絹は、練られていない生糸で織られたもので、1丁樋から4丁樋の厚さがあります。
描くには、絹枠に張り、ドーサを引いてから使います。
筆圧に対する耐久性が高く、紙には見られない美しいぼかしができます。

懸腕法

腕法のひとつで、ヒジを身体から離し、腕をあげて描く方法。
最も理想的な腕法とされ、筆勢のある作品を描くのには欠かせません。

構図

描写の対象となる素材を美的効果を考えて配置すること。
水墨画では、六法にある「経営位置」にあたります。
骨組みとなるのは、虚、実、主、客の組み合わせと変化。
「虚」とは、何も書かれていない余白のことで、疎、散、簡、淡の部分です。「実」とは、ものの描かれている部分を指し、密、集、繁、濃の部分。「主」とは、画の中心をなす物象のことで、「客」とは、その他の補助的なものを指します。
主題をいっそう明確にするためには、主は実の部分に描き、客は虚の部分に置くことが大切です。
また虚を単なる余白とは考えずに、虚実相互の補完をもって表現することが重要となります。

鈎勒法こうろくほう

東洋絵画の技法
輪郭をていねいに線描きでくくる技法で、輪郭線を残さない没骨法に対するもの。中国花鳥画の発達の歴史と深い関わりがあり、五代蜀の画家で、花鳥画の名手として有名な黄筌(こうせん)の発案とされています。
没骨法とともに花鳥画の新様の技法として定着、後に「黄氏体」と呼ばれるようになります。

五彩

墨の濃淡が調和がとれて美しいこと
色彩学上、色彩の究極は墨色であり、色彩の最も単一に純化したものは白色であると言われています。
墨色の濃いものから、焦、重、濃、軽、淡の五段階あります。

个字法こじほう

竹葉描法
3枚で1組になる竹葉の描き方で、个の字に似ているため、この名称がついています。
下向きの葉を描くときに用いられます。

胡椒点

点葉法の描法
胡椒の実のような小さな丸い点を密集させて描くこと

※まだ未完成ですので、今後も随時追加していきます。