Q 初心者に適した紙はありますか?
水墨画用の紙は、大きく分けてよくにじむものとあまりにじまないものに分けられます。
水墨画でどのような表現をしたいか、どんなテーマで描くかで選ぶ紙が異なります。
一般的には初心者の方は、運筆が遅いためににじみやすいので、にじみにくい紙を選びます。
楮や三椏はにじみにくいのでおすすめです。
Q 紙の試し書きするときは何を確認すればよいですか?
専門店で試し書きが可能であれば、書いてみることをおすすめします。
試し書きのポイントは書きやすさもありますが、以下のようなことを試して紙の特徴を確認してください。
1.穂先に淡墨をつけ、軽く紙に置いてにじみを確かめます。濃墨でも同じように試します。
2.筆を倒してすばやく面描きし、かすれ具合を確かめます。
3.線をひいて、穂先の利きを確かめます。
Q 水墨画の用紙はどのように保管すればよいですか?
水墨画用紙は湿気が少なく、直射日光の当たらない場所に、保護紙に包んで保管します。
長期保存する場合は防虫剤を入れるのもよいと思います。
その他、作品の退色を防ぐのには、紙質にこだわることも必要です。
紙質がよいものほど、保存性も高い傾向にあります。
Q 使用前の画仙紙に折り目がついてしまいました。もう使えないですか?
紙は平らな状態で保管するのがベストです。
折り目の部分に墨が入らず、描きにくくなるからです。
しかしながら、もみ紙法など、紙の使い方はさまざまありますので、工夫して使ってみてください。
もみ紙法とは、紙をクシャクシャにしてそこに描くと、ゴツゴツした岩肌や乾いた木の質感を表現できたりします。
Q 水墨画の加工紙とはどのようなものですか?
漉いた後の紙に、全体ににじみ止めに使うドーサ液を塗布した紙のことです。
にじみ止めしていますので、描いた際、墨がにじまず、線がキレイに出るので、たらし込みや細かい描写をするときに使用する紙です。
Q 水墨画の紙にはどのようなサイズがありますか?
水墨画の紙には以下のようなサイズがあります。
額のサイズもあわせて表示いたしますので、参考になりましたら幸いです。
洋額
規格 | 外枠内寸法 | 作品寸法 |
F6 | 56.1×47.0 | 41.0×31.8 |
F8 | 60.7×53.1 | 45.5×38.0 |
F10 | 68.2×60.7 | 53.0×45.5 |
F12 | 78.2×67.6 | 60.6×50.0 |
F15 | 82.7×70.6 | 65.2×53.0 |
F20 | 90.3×78.2 | 72.7×60.6 |
F30 | 108.5×90.3 | 91.0×72.7 |
和額
規格 | 外枠内寸法 | 作品寸法 |
半切1/3 | 63.0×52.0 | 45.3×35.0 |
半切1/2 | 90.9×45.5 | 68.0×35.0 |
半切 | 166.7×45.5 | 136.0×35.0 |
全紙1/2 | 86.0×86.0 | 70.0×68.0 |
全紙1/3 | 90.0×57.0 | 70.0×45.3 |
聯落 | 167.0×68.0 | 136.0×53.0 |
全紙 | 167.0×85.0 | 136.0×70.0 |
額装される場合は、作品制作の前にあらかじめ額のサイズを検討することをおすすめします。
規格外のサイズは特注になりますが、その場合定番サイズよりも高額になることがありますので、ご注意ください。
Q 水墨画を描いている最中に紙が破れた場合、どう対処すればよいですか?
水墨画は、薄い紙に水をたくさん使って描くことが多いので、紙が破れたり、穴が開くことがあります。
塗っている箇所に筆の穂先を引っかけて紙が破れた場合、破れたところがそれ以上広がらないように注意しながら
描き続けます。
作品が完成したら、破れた部分を合わせ、霧吹きで紙を湿らせてから、同じ紙で裏打ちすればほぼ元通りにすること
が出来ます。
紙がちぎれた場合も同様に切れた紙をつないで裏打ちすれば問題ありません。
初心者の方は、表具屋さんに事情を説明して裏打ちしていただくのが無難です。