水墨画と墨絵の違いは何ですか?

水墨画と墨絵の違いは一般的には十分に理解されていないことが多いようです。

墨絵は墨だけを使って描かれる手法です。
水墨画は墨の黒と紙の白の表現に留まらず、筆に水を含ませて描くことにより、墨色に変化を出し、みじみを生かした微妙な変化を表現したりします。

 下書きやスケッチはしてもよいのでしょうか?

水墨画では下書きせずに直接描くのが一般的です。
構図の参考にするためにスケッチするのはよいと思いますが、水墨画は精神を表現するものですから、スケッチしたものをそのまま写したように描くわけではありません。
線を省いて簡略化したり、強調して描く部分もでてきます。

  水墨画上達のコツはありますか?

すぐにうまく描けるものではありませんので、まずは基礎を学ぶ必要があります。
水墨画の描法の基礎である直線や曲線、調墨、濃淡の表現技法を学んで自分の感覚をつかんでください。
特に運筆は大変重要ですので、四君子などで運筆の練習をしておけば、上達に近づくと思います。

Q 淡く描くべきところを濃く描いてしまった場合の対処法は?

周囲にスペースがある場合は、他のものを描き加えたり、別の題材に変えたりします。
スペースが無い場合は、使った墨色と同濃度の墨を使って周囲を塗るとよいでしょう。

Q 運筆の途中でかすれが出てしまいました。修正する方法はありますか?

かすれを出したくない場合は、にじみすぎない程度の墨量の筆で重ね描きしてかすれを隠すのがよいと思います。
先に描いたときよりやや濃い墨を使うのがポイントです。

Q 水墨画と西洋画では遠近法の使い方に違いはありますか?

基本的な表現には差はありません。
西洋画の遠近法で最も一般的な方法は、パースという透視図法ですが、水墨画でも昔から使われてきた技法です。
但し、墨一色の表現となる水墨画では、ポイントを強調した描き方が必要です。
建造物などに濃墨を使うのもそうした理由からです。

他方、水墨画など東洋画特有の遠近法としては、「三遠法」があります。

Q 調墨とは何ですか?どのようにするのか知りたいです。

調墨とは、墨の楷調を表現するために墨色の濃淡を調整して筆の穂に含ませることです。
自分が表現したい濃さになるように工夫してください。たとえば、事前に淡・中・濃墨を梅皿に用意し、都度調墨するなど。
基本的な調墨法としては、三墨法とよばれるものがあります。

Q たらし込み法とはどのような技法ですか?


たらし込みはにじみのおもしろさを生かした日本画特有の技法です。
まず墨などで図柄を描き、半渇きのうちにさらにその上に別の墨または絵の具を施すことによって、はじめの墨と後の墨が自然に混じりあって、特有のにじみが生まれます。これをたらし込むと言います。